この世には、「アンノウン」と呼ばれる異常な存在と、それらから人類を守る秘密組織〈機関〉が存在する。アンノウンには危険な「ミーム(認識することで拡散・伝染する概念)」的性質を持ったものがあるが、この部門が扱うのは「ミーム」の逆=「反ミーム」的性質を持つアンノウンである。「伝染」の反対は「消去」──反ミーム的性質を持つものは遭遇した相手の記憶や記録から自らを消し去り、情報の拡散を阻止する。超強力な反ミーム性アンノウンは、自らに関する情報だけでなく「人類すべて」を消去しようとする。本書はマリー・クインと反ミーム部門の研究員や作戦員が、自らの命をかけ、記録も記憶もできない脅威と戦う姿を描く。(早川書房のnoteより引用)
主人公マリー・クインは部門長、49歳女性。アンノウンは概念的存在だが物質的でもあり、戦闘に当たっては肉体も行使する必要がある。管理職然とした女性ではなく、怪異に立ち向かうベテランの女戦士をイメージした方が読み易くなる。
ホラー・SFのシェアワールド創作、「SCP財団」から本作品は生まれた。
ミームとは、英国の進化生物学者リチャード・ドーキンスが1976年の著書「利己的な遺伝子」で提唱した造語で、習慣や技能、物語など、人の模倣によって脳から脳へと伝えられ、自己複製しながら進化していく情報、その「文化的伝達の単位」を指した。つまり、遺伝子と同じ自己複製子であり、人間の精神や文化を一種の生殖機構として利用している。
「情報が伝播し、その途中で変化していく」ということを言葉として言い表した便利な概念だったので、ドーキンスの仲間である生物学者のほか、心理学者や哲学者など幅広い分野の研究者によって色々なアプローチがかけられ、「ミーム学」が形作られていった。






















