森田童子は1952年生まれの女性シンガーソングライターで、1975年にメジャーデビュー、1983年に音楽活動停止。その後は1度も人前に姿を見せていない。重度の人見知りで、カーリーヘアとサングラス、男物の服装で身を守り素顔を晒すことはなかった。
活動期間が筆者の学生時代とほぼ一致している。当時もその楽曲の暗さが揶揄されていた。「鬱な時に聴く曲。自分よりもっと不幸な人がいるんだとわかって元気になる」などと言われていた。
筆者は凄いファンであるということは全然なかったが、伝説となった1980年11月の黒テントコンサートに行っていることを思い出した。テントはアングラ演劇四天王の1つである「劇団黒テント」が貸し出して、池袋三越裏に設営された。
医学部卒業を控えて、医師国家試験対策の勉強で忙しかった頃だと思うが、鉄門のクラスメイトに誘われて行ったのだ。誘ってくれた友人たちは、森田童子は知らなくて、劇団黒テントの公演だと思っていたと後で言っていた。なぜ「紅テント」ではなく「黒テント」に行きたがったのかは不明。
鉄門:東京大学医学部医学科のこと。
コンサート時、森田童子は28歳、筆者より上の世代、学生紛争がリアルな世代に属す。コンサート実現までを追ったドキュメンタリー番組が東京12チャンネルで放送された。現在YouTubeで見ることができる。観客席に筆者が映っているなんてことはなかった。
1993年1月、テレビドラマ「高校教師」の主題歌として、「ぼくたちの失敗」が使われ大ヒットとなった。昔を知らない若い世代を含めて新たに多くのファンが生まれた。現役当時よりこの時の盛り上がりの方が強かったが、マスコミの取材には全く応じなかった。

