南海遊「永劫館超連続殺人事件」

「館」、「密室」、「タイムループ」の三重の謎が課せられた、特殊設定本格ミステリ。一般の評価は知らず、書店サイトの紹介文やレビューが強く推していたので購入。当たりだった。

「私の目を、最後まで見つめていて」、そう告げた道連れの魔女リリィがヒースクリフの瞳を見ながら絶命すると、二人は1日前に戻っていた。

「死に戻り」、「道連れ」、「不老不死」の3つの呪いと共に17歳の姿の魔女リリィジュディス・エアは130年生きている。その年齢のギャップが常に現れているわけではなく、17歳らしい雰囲気も散見される。これが感情移入を容易にした。見かけ以上に年齢が進んでいることだけが強調されると、みんなフリーレンになってしまう。

最初の出会いで、魔女は雨で濡れ鼠になっていた。意図したようなボディタッチ。事件が起こり、孤独に怯えるヒースクリフを包み込むような抱擁、口づけ。油断のならない謎の女ではあるが、読者も恋心が惹起される。

苛烈さをもって物語は収束する。本当にこれで大団円としていいのだろうか?

収まりの良い解釈を探すと、ゲーム理論に思い当たった。無期限繰り返しゲームでの「囚人のジレンマ」で、協調の可能性が生まれることがこの小説のエンディングなのかな。

YoRHa 2Bの虹彩の色を調節。リリィになった。