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南海遊「永劫館超連続殺人事件」

「館」、「密室」、「タイムループ」の三重の謎が課せられた、特殊設定本格ミステリ。一般の評価は知らず、書店サイトの紹介文やレビューが強く推していたので購入。当たりだった。

「私の目を、最後まで見つめていて」、そう告げた道連れの魔女リリィがヒースクリフの瞳を見ながら絶命すると、二人は1日前に戻っていた。

「死に戻り」、「道連れ」、「不老不死」の3つの呪いと共に17歳の姿の魔女リリィジュディス・エアは130年生きている。その年齢のギャップが常に現れているわけではなく、17歳らしい雰囲気も散見される。これが感情移入を容易にした。見かけ以上に年齢が進んでいることだけが強調されると、みんなフリーレンになってしまう。

最初の出会いで、魔女は雨で濡れ鼠になっていた。意図したようなボディタッチ。事件が起こり、孤独に怯えるヒースクリフを包み込むような抱擁、口づけ。油断のならない謎の女ではあるが、読者も恋心が惹起される。

苛烈さをもって物語は収束する。本当にこれで大団円としていいのだろうか?

収まりの良い解釈を探すと、ゲーム理論に思い当たった。無期限繰り返しゲームでの「囚人のジレンマ」で、協調の可能性が生まれることがこの小説のエンディングなのかな。

YoRHa 2Bの虹彩の色を調節。リリィになった。

アーウィン・アレン「タイムトンネル」

アーウィン・アレンは、米国のTV番組製作者、映画プロデューサー・映画監督。日本において1960年代の米国製のTV番組は、お茶の間に広く浸透していた。アレンの代表作に「宇宙家族ロビンソン」(1965-1968)、「原子力潜水艦シービュー号」(1964-1968)、「タイムトンネル」(1966-1967)がある。

映画では、「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)、「タワーリング・インフェルノ」(1974)が大ヒットした。暗く難解で低予算のアメリカン・ニューシネマに食傷した観客が、映画本来の活劇に回帰する兆候だったと解釈された。その延長線上にスターウォーズがあると言われた。

さて、「タイムトンネル」だ。アリゾナ砂漠の地下、科学センターに作られたトンネル状のタイムマシーンで、過去・未来に人間を送ることができる。しかし、未完成である。2人の科学者トニーとダグがトンネルに入ったが、現在に戻れず過去と未来を彷徨う放浪者になる。

心ときめかせて番組に熱中した視聴者には、今でも同心楕円が並ぶような形を見るとタイムトンネルに見える。

過去の歴史上の出来事が、舞台となることが多かった。記憶に強く残っているのは、フランス革命の「恐怖政治」だ。日本放映時、筆者は10歳。ショックだった、怖かった。1967年という時代の雰囲気は、中国の文化大革命の実態が伝わらず好意を持って迎えられていたように、革命というといいことばっかり強調していたから。

他、西部開拓史上の悪役、カスター将軍の物語が興味を惹いた。

インディアンと友好的なカスター将軍の記憶があるのだが、これは「タイムトンネル」ではなかった。1967年のTVシリーズ「カスター」別名「カスターの伝説」で、インディアンとの無用な戦いを避け、クレイジー・ホースと互いに敬意を払い合うカスターが描かれた。こっちだ。この描き方はカスターを美化しすぎていると、ネイティブ・アメリカン団体から強い抗議を受け全17話で打ち切り。

過去の人物を現代に連れてくるのは成功するのに、主人公たちの回収はほとんどいつも失敗して、放送は次回に続くとなった。

江戸東京博物館「大江戸礼賛」

まず目を惹くのが西側アプローチに新設された、鳥居ないしタイムトンネルを思わせるモニュメント

1993年に開館した東京都江戸東京博物館は、2022年から大規模改修工事のため4年間の長期休館をしていたが、本年2026年3月31日にリニューアルオープンした。会期2026年4月25日〜2026年5月24日で開かれた、リニューアル記念特別展「大江戸礼賛」に5月20日行った。毎月第3水曜日は65歳以上は観覧料が無料なのだ。

白羅紗地桐紋入火事装束

江戸の文化は昔から興味があり、いろいろなメディアで接してきた。今回新たに得た知識は、大名火消の武家の方の装束だ。展示の第3章、「火事と喧嘩は江戸の華—-武家火消と町火消」で特集されていた。

実際の消火活動に当たったのは火消人足と呼ばれる労働者で、装束は木綿の袷の刺子。武士の役目は消火活動の指揮や警備で、装束は家の威信をかけた豪華なものとなった。

大名火消で有名なのは、加賀藩の加賀鳶だ。東京大学の赤門は、加賀藩前田家に第11代将軍徳川家斉の娘、溶姫(やすひめ)が嫁入りしたとき造った御守殿門で、御守殿門は焼失すると再建は許されないことになっていたので消防に一層気合を入れたとか。

立烏帽子形火事頭巾 緋羅紗地波涛に竜文様繍鷹取瓜紋付

武家の女性の火事装束も豪華絢爛で、避難のとき着用した。

江戸東京博物館に行ったら、常設展も見たほうがいい。5階と6階が吹き抜けになった約9,000㎡の大きな展示室が江戸ゾーンと東京ゾーンを繋いでいる。木製の日本橋を渡ってここに入る。実物大の大型模型や当時の様子を忠実に再現した縮尺模型、当時の人々が実際に使っていた実物資料などの展示空間が楽しい。